V2Hは元々は、自動車(Vehicle)から建物へ(to Home)電力を供給するという意味合いで使い始められた歴史があります。
現在では「双方向の電力移動」といった断簡に進化しており、V2Hが一般の製品として実用化・販売されているのは日本だけ。
V2Hが誕生した背景、卒FITでは今後どのように対応していくのかなどをまとめました。
V2Hの誕生はいつ
東日本大震災(3.11)以前は、出力が細かく調整しにくい原子力発電所や火力発電所の夜間余剰電力を使って、電力会社側は需要のピーク時の負担を減らす「ピークカット」ができる。
消費者側は「電力使用料金の節約」というメリットが得られるためにV2Hシステムが誕生。
現在では原子力発電所はほとんど稼働していないため、深夜割引は供給側の意味はそれほどなく、夜間電力料金も値上がりの傾向を見せています。
また、最近は太陽光発電、風力・バイオマスなどの再生可能エネルギーにより、昼間の需要ピークも以前よりはなだらかに。
最初の頃に比べてV2Hは節約というよりは、災害・事故などによる対策としての効果が注目を集めているのではないでしょうか。
V2Hのメリット
・電気自動車を蓄電池の代わりとして活用できる
・太陽光発電の電気を効率よく使い、電気料金の削減にもつながる
・災害時の非常用電源として利用することもできる
太陽光発電は、初夏で朝の5時ごろから夜の7時まで、冬場は朝の7時ごろから午後の5時程度までしか稼働しないため、電気自動車に溜まっている電気を家庭に送ることで電気代を削減することができます。
次の日電気自動車でお出かけする場合は、夜間の割安な電力を電気自動車に充電することもできるので、効率よく電気を使うことができますね。
V2Hのデメリット
・電気自動車のバッテリー寿命
家庭用蓄電池を比較すると圧倒的に耐久性が高い分、急激な劣化は考えにくく、蓄電池の寿命は放電回数と使用容量に連動する
・設置スペースの必要性
家庭用蓄電池はコンパクト化してきており、屋内にも設置できる場合もあるが、V2Hは屋外設置になるので、その分余計にスペースの確保が必要になる
人によってはモーター音をうるさく感じる場合があるため、隣接した家が近い場合や自宅の設置場所も確認した方がよい
V2Hの種類
大きく4種類に分類できます。
1、系統から夜間にEVに充電し、昼間にEVから建物に給電するもの
2、1に太陽光発電からの給電を併用したもの
3、系統非連系型(旧・EVパワーステーション)と系統連係型(現・EVパワーステーション)
EVから給電が終わったときに系統に切り替えられるかどうかの違いがある
1、2、3、は昼間にEVに乗って出勤などしてしまう人には不向き
4、DC-DC伝送(直流による電力相互移動を可能にしたシステム・トライブリッド蓄電システム)
蓄電がEVだけでなく、定置型蓄電池が使えるので、昼間EVがないという弱点は克服可能だが、蓄電池は容量に対する価格がまだまだ割高ではある。
今後の卒FITの方はどのように対応していくのか
・EVとV2Hを導入して、グリーンモード(エネルギーの地産地消)で使う
・定置型蓄電池を導入する
V2Hまたは蓄電池単体、蓄電池の代用として中古EVを買う選択肢も
・特に何もしない
売電単価が8~10円に下がってもそのまま売り続ける
・V2H導入済の人はグリーンモードに切り替えるか、機能が不十分であれば新型に買い替える
まとめ
すでに太陽光発電を利用している人にとっては今後EVやV2Hを導入することでエネルギーの地産地消をすることができますね。
各地方自治体によっては補助金の対象になる場合もあります。
電気自動車は新車の場合、初期費用が高いですが維持費がガソリン車よりも少なく済みますので、検討してみても良さそうですね。